「思い出のマーニー」のネタバレ感想!謎解きの鍵となる記憶と杏奈の成長

 

2015年10月19日に地上波でも放送されたジブリ作品「思い出のマーニー」についてネタバレ感想を書いていきます。

『思い出のマーニー』(おもいでのマーニー、原題:When Marnie Was There)は、イギリスの作家、ジョーン・G・ロビンソンによる児童文学作品。かたくなに心を閉ざした少女アンナが海辺の村に住む少女マーニーとの交流を通じて心を開いていく様子が描かれる。
引用元 - Wikipedia 「思い出のマーニー」

同作は、イギリス児童文学の古典名作で、英作家ジョーン・G・ロビンソンによる同名児童文学を原作にしたファンタジーです。

原題”When Marnie Was There“を直訳すると、「かつてマーニーがそこにいた時」ですかね。

 

原作の舞台はイギリスですが、本映画では日本に置き換えられております。

思春期の難しい時期にいる女の子・杏奈と、謎の少女・マーニーと出会い・友情を描いた作品の監督は「借りぐらしのアリエッティ」の米林宏昌(すでにジブリを退社)さん。

同映画は2014年夏に公開されました。

以降、ネタバレ含みますので、まだ観ていない方は本記事は読まないでください。

 

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前半シーンでわかる杏奈とマーニーの関連性

「他人は輪の中、私は輪の外。」

「私は、私が嫌い。」

 

映画の前半シーンの杏奈の言葉です。

杏奈は人の輪に入ることをひどく怖がり、同級生に対しては傷つく言葉を浴びせたりします。

そんな自分自身が嫌いだと、杏奈はいいます。

 

不憫な境遇のせいもあり、このような自己否定を繰り返し、非常に内向的になってしまっている主人公。

ただし、本人は本当は他者とのふれあいを心から求めております

ただ、失望するのが怖くて臆病になってしまっているのですね。

 

そんな杏奈ですが、療養先の海辺の湿地屋敷で金髪で青い瞳をもつ美しいマーニーに出会います。

尚、前のシーンで杏奈も同級生から目が青いとの指摘を受けていることから、マーニーと杏奈との共通点としてある程度、マーニーの正体に気づく方もいるでしょう。

そもそもマーニー登場までに散々、幽霊出る説とか周りの脇役たちが煽ってますからね。

 

ちなみに杏奈は湿地屋敷を見た途端、

この屋敷、知っている感じがする。

と言います。

物語上、大体のケースでは、知っている感じという既視感は、本当に記憶している思い出である可能性が高いです。

そしてマーニーと出会う前、杏奈はマーニーが出る夢のようなものを見ております。

従い、マーニー自身も杏奈の思い出(記憶)の一部である可能性が高いことが想像できますね。

 

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気になったマーニーが突然消えてしまうシーン

二人が3つずつ質問しあう場面で突如、マーニーがフェイドアウトしてしまうシーンがあります。

これ、はじめ見たとき でした。

でも何かしら理由があって、このような意図的な演出をしたことは明白です。

 

そして映画が進むにつれ、理由が何となく分かってきました。

というのも、同じようにマーニーが消えてしまうシーンがあるのです。

 

サイロの場面です。

 

silo

サイロ(英: silo)とは、米・小麦・とうもろこし・大豆等の農産物、家畜の飼料を蔵置・収蔵する倉庫、容器等のこと。

引用元: Wikipedia – 「サイロ」

上の写真のような円筒状のタンクをサイロというらしいです。

 

このサイロのシーンでも、急にマーニーは消えます。

でもその直前、マーニーは杏奈のことをなぜか「かずひこ」と呼びます。

最初、聞き間違えかと思いましたが、2回ほど言ったので明らかに杏奈の存在はこのシーンでは機能していないことを示しております。

そして、「かずひこ」というマーニーの幼馴染の男の子の存在が機能しております。

 

どうやら杏奈はマーニーの記憶を追体験しているらしい。

となると、前半のマーニーが消えるシーンは追体験できないためと想像できます。

 

追体験できないから、フェードアウトしてしまう

映画内でマーニーの日記が出てきますが、途中のページが数枚破かれております。

そう、これは メタファー ではないでしょうか。

つまり・・・

破かれた日記の内容(シーン)を再現(体験)することはできない

のだと。

 

マーニーは幽霊ではなく、杏奈の中で眠っていた記憶が作り出した幻想か

最後のシーンで、ベッド内の幼い杏奈の横で、マーニーが語っているシーンがあります。

この祖母マーニーから実際に語られた話の記憶が杏奈の中に残っていて、何らかの拍子に呼び起こされたと考えます。

マーニーは幽霊ではなく、杏奈が作り出した美しい幻影だったのでしょう。

 

杏奈自身が大きく変わるきっかけとなったシーン。

それは「マーニーを許す」と言った場面でしょう。

杏奈が輪の外を受け入れ始めるきっかけとなりましたね。

 

 

そして最後のシーン。

杏奈は実に清々しております。

冒頭の杏奈とはまるで別人。

  • 過去の記憶によって作り出されたマーニーと出会い
  • 自分の出生の秘密を知り、友達もでき
  • 感謝すべき相手に素直に感謝し
  • 謝罪すべき相手に素直に謝った

 

杏奈の成長がしっかりと確認できる最後のシーン。

エンディングとしてふさわしいものでしたね。

 

また最後、うれしいことに窓から手を振るマーニーが一瞬、映し出されます。

 

そう、マーニーは杏奈の記憶の中で生き続けます。

 

マーニーが杏奈に言ったように

 

永久に

 

 

 

記憶って本当に不思議なものですね。

生きていくうちに、あまりにも多くの記憶が頭の中に詰め込まれ、多くの記憶は時の砂の中で埋没します。

 

しかし、その人にとって大切な記憶であればあるほど、それは記憶の引き出しの一番奥に、大切に格納されるのではないでしょうか。

そして何かのきっかけで、記憶は前のほうへ出てこようとします。

 

たまに、何か既視感(デジャブ)を感じるとき。

そのとき、何か大切な記憶が、前に出てこようとしているのかもしれません。

 

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