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地震大国の日本。
地震リスクに備え昨今、各住宅メーカーも制振技術などを駆使し、地震に強い耐震住宅を作っておりますね。
しかし、その建物自体の耐震強度がどんなに強固なものであろうと、肝心の建物が建つ土台(宅地)に問題があれば、建物に大きな被害が出てしまう可能性はあります。
地盤ごとズレ動いてしまった場合、家屋が傾くなどの被害が発生してしまうでしょう。
『足元を固めろ』とよく言いますが、それは住宅とて同じです。
熊本地震、「盛土」地帯で被害が多く報告
痛ましい熊本地震。
専門家の調査によると、「盛土」と呼ばれる場所で、多くの被害が出ていることが分かっております。
【熊本と大分 活発な地震活動続く】 熊本地震で特に谷や崖を土砂で埋めるなどして造成された「盛土」と呼ばれる場所で大きな被害が出ていることが専門家の調査で分かりました。https://t.co/qSoZTYIgW3 pic.twitter.com/wnPXnRMwnx
— NHKニュース (@nhk_news) 2016年5月12日
出典: Twitter
盛土とは?
盛土(もりど、もりつち)とは、低い地盤や斜面に土砂を盛り上げて高くし、平坦な地表を作る、または周囲より高くする工事。またはそれが施された道路や鉄道の区間。またその工事によって盛られた土砂そのもののことも指す。
住宅地の開発や道路整備などで平坦な地表が必要なときに行われることが多い。しかし軟弱な地盤の上にただ土を盛り上げただけでは時とともに地盤沈下が発生しやすい。それを防ぐため、転圧や地盤の改良工事などの対策をあわせて行う。引用元: Wikipedia – 『盛土』
基本、傾斜地を造成したとき、下記の図のように盛土部分と切土部分が発生します。(切土:盛土の対義語。地盤・斜面を切り取って平坦に造られた部分。)

上図のように、丘陵地の切土部分に家が建てられている場合、元々の地盤が安全である限り、大きな心配をする必要はないでしょう。
しかし、家が盛土部分に建てられている場合は、地震や豪雨などの自然災害により「沈下」の恐れが出てきます。
尚、盛土と切土の境界部は、盛土が沈下したとき、沈下しない切土境界部分との間で「段差」が発生してしまうので一番危険です。
対策はあるのか?

先ず、自分たちの住んでいる場所が盛土造成地なのかどうか、知りたいですよね。
下記のリンクで、国土交通省が大規模盛土造成地マップを公表している地方公共団体を紹介しておりますが、たったの12県市しか公表していないのですね…。
外部リンク先:国土交通省「大規模盛土造成地マップの公表状況について」
■川崎市(平成19年6月)
■鳥取県(平成20年7月)
■鳥取市(平成20年7月)
■豊田市(平成20年8月)
■埼玉県(平成21年5月)
■横浜市(平成22年2月)
■春日井市(平成22年4月)
■岡崎市(平成23年8月)
■さいたま市(平成24年6月)
■横須賀市(平成24年11月)
■京都市(平成25年1月)
■仙台市(平成25年5月)
大規模の盛土造成地に限定されているため、小規模の分譲地などはまず公表されないでしょうね。
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盛土された場所全てが危険というわけではありません。
地盤改良工事が問題なく実施されていれば、災害リスクは減るでしょう。
どんどん自治体は住民に対し、リスク対策のために盛土造成地情報を開示していくべきですが、あまり期待もてませんね。
見えないリスクを避けるための対策としては、これから住宅を購入する人は可能な限り、盛土は避けるべきだと考えます。
すでに住宅所有されており、土地が地盤改良工事されていない軟弱地盤だと分かっている方は、建て直し時、更地状態にて地盤改良を実施するなどの対策はできるでしょう。(平成以前、地盤改良技術が発達していなかった昭和では、不同沈下は珍しいものではなかったようです。)
しかし地盤改良は土地改良ではないこと、理解しておかなければならないでしょう。
土地は大切
盛土は傾斜地だけではなく、水田・湿地地帯の埋立地や谷埋め地などにも盛土地は多いです。
国土が限られている日本ですからね。
きっと盛土造成地は意外に多いはずです。
しょせん、上物(家)は時が経てば、建て直しすることになります。
しかし土地はずっと昔からそこにあり続けているもので、これからもそこに在り続けます。
あなたの大切な子孫が将来住み続ける可能性もあるでしょう。
土地は大切です ~☆
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